ボールウェーブ株式会社の利用成果が、文科省マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM)令和5年度「秀でた利用成果」最優秀賞を受賞しました。

12月 6, 2023 ニュース

 文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM)事業において、本学マイクロシステム融合研究開発センター・試作コインランドリ で開発を支援した成果が、同事業の令和5年度「秀でた利用成果」の最優秀賞に選ばれ、令和5年12月4日に一橋大学一橋講堂で開催された「DxMT,ARIM合同イベント」内のARIM秀でた利用成果発表会で表彰されました。受賞対象の成果は、東北大学発スタートアップ企業である、ボールウェーブ株式会社 (赤尾慎吾 代表取締役社長)の「ボールSAWセンサの社会実装」です。

 ボールSAW(ボール表面弾性波)センサとは、直径3mm程度の球の赤道(大円)において適切な条件で発生させた表面波が拡がらずに同じ幅を保って伝搬を続ける現象を用いたセンサです。直径3 mm程度の水晶の球に幅10 µm程度の電極を形成するため、試作コインランドリの球面露光装置、球面スパッタ装置を用いました。具体的には、水晶の球に電極をパターニングするため、球全面に均一なCr薄膜の成膜、ボールSAW部のすだれ状電極のため球面へのフォトリソグラフィ、リフトオフによる電極の形成、および、感応膜の成膜です。
 本センサを活用して世界最小のガスクロマトグラフ「Sylph」が製品化され、ベンゼンなどの有機系ガス成分について、サブppmレベルの感度での検出を実現されました。同製品は2023年1月に米国ラスベガスで開催された国際コンシューマーエレクトロニクスショー(CES)において、CES 2023 INNOVATION AWARDを受賞しました。手のひらサイズと小型であることを活かして、世界で初めてドローンにガスクロマトグラフを搭載して、プラントの煙突から放出されるガスの局所的な分析に成功しています。

2月2日まで東京ビッグサイトで開催のnano tech 2024でもポスター展示を行いました。写真は世界最小のガスクロマトグラフ「Sylph」、ボールウェーブの竹田宣生CTO、東北大の森山雅昭准教授。

文部科学省ARIM 令和5年度「秀でた利用成果」web

ポスターのPDFファイルはこちら。

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投稿者: STAFF