ご挨拶

マイクロシステム融合研究開発センター長・教授
戸津健太郎
東北大学マイクロシステム融合研究開発センターは、文部科学省 科学技術振興調整費、先端融合領域イノベーション創出拠点の形成プログラムとして2007年から10年間実施した「マイクロシステム融合研究開発拠点」(研究統括 小野崇人教授)、および2010年から実質4年で始まった「最先端研究開発支援」プログラムにおける「マイクロシステム融合研究開発」(中心研究者 江刺正喜教授)推進のため、2010年に設置されました。
前者では16社の企業との産学連携で、「乗り合いウェハ」などにより、高付加価値の「集積化MEMS」を開発してきました。一方後者では産総研などと協力し、「ヘテロ集積化」「試作コインランドリ」「超並列電子線描画装置開発」に取り組んで、産業につながる研究開発を行ってまいりました。これらの成果として、製品化、ベンチャー企業創出、試作開発プラットフォーム創出、さらなる大型共同研究推進のほか、数多くの人材を産業界や学界に輩出しました。
現在、センターは2つの部門で構成されています。
マイクロシステム融合研究開発部門では、主に企業との共同研究・受託研究、国の研究開発プロジェクトを推進し、オープンコラボレーション部門では、この分野で国内最大規模の共用設備である「試作コインランドリ」(クリーンルーム面積1,800㎡、半導体製造装置150台以上)の運営を行っています。
これまでの取組を基盤として、微細加工を応用したデバイス、マイクロシステムの研究開発を加速させて社会のニーズに応えてまいります。とくに多様な産学連携によって、実用化や人材育成を推進したいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

拠点
東北大学 西澤潤一記念研究センター(以下、西澤センター)は、2008年、“光通信の父”“ミスター半導体”として知られる西澤潤一博士が名誉所長を務めていた半導体研究所(財団法人半導体研究振興会)から東北大学へ寄贈されました。
西澤センター内には共用施設としては国内最大級のクリーンルームがあり、MEMSを中心とした半導体製造装置に加え、電子工作機器などを整備し、「東北大学 試作コインランドリ」として運用しています。(2010年の運用開始以来、利用機関数:400以上)
また、西澤センター内には近代技術史博物館など5つの展示室があり、エレクトロニクス技術の進化を示す貴重な実機や資料をご覧いただけます。
建物概要
2010.4 マイクロシステム融合研究開発センター発足(初代センター長:江刺教授)
内閣府/学振最先端研究開発支援プログラム(FIRST)により、試作コインランドリ開始
2012.5 仙台MEMSショールームオープン
2013.1 近代技術史博物館オープン
2016.4 ビジネスマッチング室オープン
2019.2 自作LSI装置室オープン
2020 TIA共用施設参加
2020 文部科学省先端研究設備整備補助事業
2021 文部科学省マテリアル先端リサーチ事業開始、全国7つのハブの1つ(高度デバイスマテリアル)
2022.4 プロトタイプラボオープン
2023.7 ミニテックミュジアムオープン


設立目的
センターは、マイクロシステムの研究開発において、デバイス等の微細加工応用分野における国際的な研究並びに応用試作の先導及び実証を企業等と連携して推進することにより、我が国の国際競争力の強化に寄与するとともに、情報・通信、製造、医療等の多様な分野において当該技術の実用化を図ることを目的とする。
「東北大学マイクロシステム融合研究開発センター設置要項」 抜粋 2020.10.22 更新